電王戦

コンピューターとプロ棋士が将棋を戦う電王戦で、人間のプロ棋士が3勝2敗で勝った。人間側は、3勝の内の2戦で、相手が人間なら普通は指さない奇手を使った。そのことに一部には批判もあるらしいが、僕はむしろ色々なことを考えさせてくれる意義深い例だと思う。

人間のプロ棋士は、必死でコンピューターの指し方を研究した上で、その癖の弱点をついた。

一つの対局では、人間側が、角を馬に成れるところをわざと成らずとしたところ、コンピューター側が、予測にない手だったので、変調をきたした。

もう一つの対局では、角を打ち込まれるすきをわざとつくり、コンピューター側に角を打ち込ませてから、その馬(角)を包囲して取ってしまった。これは、「馬が捕獲されるのは、人間にとってほぼ必然の一直線の手順。人間なら引っかからないが、ソフトは一手ごとに広く手を探索するため、約10手先にあるわなを見破るのが難しい。」(朝日新聞4月12日朝刊)からだ。

まず思ったのは、コンピューターって意外と間抜けなんだなあと。過去の何万もの棋譜を読み込んで、鋭いときは30手先まで読んでいるかのような手を指すわりに、意外な手に対応できなかったり、10手先が読めなかったり。

これらの例は、今後、現実社会でコンピューターによる自動運転や医療診断などを実用化した時に、起こり得る間違いを示しているようだ。ソフトウェアのバグともいえるだろうが、実用化前にどれだけ長時間の実地試験を繰り返しても、意外な大きな落し穴を見つけられないかもしれない。

また、人間の世渡りの術としても、とても参考になる。実社会では、とても優秀でコンピューターのように頭脳明晰な人が、ときどき大失敗することがある。大抵は、自分の周囲の人が、自分自身の損になるような非合理的な行動をすることを全く予想していないからそういう失敗が起こる。

桂や銀なら、成らないほうがいいこともあるが、角は、成っても悪いことは一つもない。それを成らずに指す人がいるとは、想定できないのだろう。

もしかすると、官房の沖縄新知事への初期の対応や、現民主党の鳩山元首相への対応もその手の失着だったかもしれない。

まことに意義深い。

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