ナスレッディン・ホジャ(ナスルディン)の小話

以前にこのブログでトルコの小話について書いたところ(ココ)、もう絶版になっているその邦訳本「ナスレッディン・ホジャ202小話集」を知り合いが貸して下さった。Wikipediaでは、「ナスレッディン・ホジャ」と表記されている。

僕が面白いと思ったものを幾つか紹介してみよう。

○ 他人の口
ホジャは、息子と旅に出ていた。息子をろ馬に乗せ、ホジャはその脇を歩くようにしていた。それを見た者達が、文句をつけた。
「あれを見てみい。いまの若いもんはのう。年寄りを大切にしやせん。自分がろ馬に乗って、親には歩かせちょる!」
 脇を通っていた息子は、ひどく恥ずかしく思って、ホジャにろ馬に乗るように頼んだ。そこで、ホジャは、ろ馬に乗って、息子は歩いて道を続けた。
 しばらく行くと、別の人々が、それを噂した。
「あれを見てみい。あんな小さい子供を歩かせて、親がろ馬に乗っておるんじゃからのう!」
 通り過ぎてから、ホジャは息子に言った。
「一番ええのは、二人して歩く事じゃ。そいなら誰も何も言わんじゃろうて」
 そこで、二人して、歩いて、道を続けて行くと、別の人々がけちをつけた。
「あの馬鹿な連中を見てみい。この暑い日にろ馬に乗らないで歩いておるわい!」
 ホジャは息子を振り返って言った。
「これでよう分かったじゃろうが。とやかく言う人の口から、逃れる事は、えろう難しい事じゃ。」


[らくちん コメント]
サラリーマンの上司と部下の関係も、この親子の関係のようなものですね。丁寧に接していても、少し距離を置いて接していても、とやかく言う人の口から逃れる事はできません。

○ 前言をくつがえす
ホジャの友人の一人が尋ねた。
「あんたはいくつになりなさったかね?」
「四十じゃ」
「しかし、三年前にわしが尋ねた時もそげえ言いなさったが」
「そうじゃ!わしは前言を覆すようなもんじゃないんじゃ」


[らくちん コメント」
いますよねえ。意地を張って、前言と違うことを言えない人。状況は時とともに変わっているのにね。

○ 卵を売る
ある日ホジャはたくさんの卵を抱えて現れ、買った値段よりも安く売り始めた。どうしてそんな風にするのかと聞かれて、ホジャは答えた。
「わしが、ずるくたちまわっているという評判が立たん方がいいじゃろうが?」


[らくちん コメント]
ビジネスやっていると、こういう人が結構でてくるんですよね。買った値段よりも安く売れ。さもなくば、悪い評判が立てるぞと、ほとんど脅すような人もいる。やれやれ。

○ 忠告
ある日、ホジャは、金持ちの知合いに無心に出掛けた。
「少し、わしに金を融通してくれんあかいのう?」
「しかし、何故だね?」
「象を買おうと思うんじゃ」
「だが金が無きゃ、象を養って行けんじゃろうが?」
「わしが来たのは、金のためで、忠告のためではないわい」


[らくちん コメント]
中近東でビジネスをしていて、だれかに融資を受けるときは、是非使ってみたいですね。

○ 役に立つ
ホジャが、茶店に入って来て、思慮深げに口を開いた。
「お月さんは、お日さんよりも役に立つわい」
「何故じゃね?」皆が尋ねた。
「明るい昼間よりも、暗い夜の方がずっと光が有り難いじゃないかね」


[らくちん コメント]
ホジャは、一休さんに似ているとよく言われます。小話の方も、ちょっと禅宗と発想が似ているようにも見えます。あらゆる宗教は、こういう無常観のような面をもつのかもしれません。

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この記事へのコメント

らくちん
2013年05月29日 23:01
星の王子様、コメントありがとうございます。トルコの人にこの話をすると、日本人が知っているというだけで、たいそう喜んでくれると聞きました。おもしろいです。
星の王子様
2013年05月29日 19:33
おもしろいですね 聞いたことがあるものも一部ありますが

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