台湾総統選の微妙なかけひき

中国のチベットの暴動について、台湾の総統選でリードをしている国民党の馬英九候補が、「情勢が悪化すれば、北京五輪ボイコットも辞さない」と強い態度に出た。しかしこれが、「まだ、ボイコットをいうのは早すぎる。」と逆に批判され、裏目になっているという。このあたり台湾人の世論の、現実的且つ楽観的、庶民的且つ国際的な、不思議で絶妙なバランス感覚がよくでていると思う。

中国のチベットの暴動をきっかけに、中国との融和路線である馬候補が、批判されてきた。18日に、中国の温家宝首相が「(台湾の将来は)台湾同胞を含む全中国人民によって決定される」と発言したのが、また台湾世論の中国への警戒感を増してしまった。そこで、馬氏は、チベット問題で、中国批判を重ね、「情勢が悪化すれば、北京五輪ボイコットも辞さない」と強い姿勢を示したのが、勇み足となった形だ。

馬氏を猛追している民進党の謝長廷候補は、「スポーツ界を犠牲にするな」、「ボイコットを言うのは早過ぎる」と批判を浴びせている。台湾の野球チームが、13日に北京五輪の出場権を獲得して盛り上がっている最中だけに、タイミングが悪かった。馬氏は「中国が武力鎮圧を継続し、チベット情勢が悪化していることが前提だ。」と弁明に努めているという。

このあたり台湾の世論の、なんとも現実的なんだけど、楽観的。庶民的なんだけど、国際的な、不思議で絶妙のバランス感覚がみえる。

なにもなくたって、北京での五輪に台湾チームが出場するのを、中国が妨害してきそうなのに、「台湾からのボイコット」なんて、中国にとってわたりに船かもしれない。つまり、こんなの取引のカードにならない。台湾が国際的な環境の中でおかれている位置を現実的に冷徹にみれば、そうともいえる。

それよりも、辞を低くしてニコニコ微笑んで出場してメダルの一個でもとって、国際社会に存在を示すほうが得策だ。台湾では中小含めほとんどの企業が国際的な取引に関係しており、海外の大企業の横暴や中国の嫌がらせの中をかいくぐってしたたかに生き抜いている。そんな台湾ビジネスマンにとっては、こんなところで喧嘩をしかけるのは、阿呆にみえるのだろう。なんとも国際的で冷徹な現実感覚である。

一方で、毎日、新聞の一面を飾っている野球チームが五輪にいけないなんて我慢ができない、という庶民感覚もみえる。チベットがどうした、そんなの関係ねえ。台湾は、違うわい。という台湾の将来に対するなんとも楽観的な心もあるようだ。

そうして、中国融和路線の馬候補が、北京五輪ボイコットに言及し、本土派の謝候補がそれを批判するという、なんとも逆転の構図ができるのである。

李登輝氏が、謝候補支持を表明したようだし、色々あります。

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この記事へのコメント

らくちん
2008年03月21日 22:32
罵愚さん、QBQさん、コメントありがとうございます。今回の台湾こそ「五輪は、出場することに意義がある」という感じがします。馬氏が立派かどうか分かりませんが、街中の賭けでは、馬氏にかける人が多いようです。いよいよ明日ですね!!
QBQ
2008年03月21日 14:41
馬氏はどっちからみても立派な人間ではないと思う。
2008年03月21日 06:25
 ヨーロッパでは開会式だけ欠場するとか、いろいろなアピールの方法はあるようです。開会式で顔や手のひらにチベット国旗を描いて行進するのもいいと思う。

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