サービス業の大規模化の方法

前回は、サービス化の波にさられるネット企業が、サービス業の小規模性という本質的課題に直面しているのではないかと書いた。(ココ)そこで、今回は、一旦、ネットビジネスを離れて、一般的にサービス業が、規模を確保するためには、どういう方法があるのか見てみる。大きく次の四つがあると僕は考える。ここでは、小売業もサービス業と考え、例示してみた。

1)サービスの多店舗化
単純に店舗を増やす。ダイエー、ユニクロ、マクドナルドなどがそうである。ただし、自社運営で店舗を増やそうとする限り、巨額の資金と人材が必要だし、リスクも収益と同じペースで急拡大する。また、ユーザーの個別対応要求にこたえにくい。そのなかで、規模のメリットを活かす経営をするには、上述の具体例の会社を見ても分かるように「マニュアル化」と「低価格」が鍵になる。従って、規模拡大とともに低収益率になりがちだ。

2)サービスのフランチャイズ化
セブン・イレブンなどのコンビニ、DPEショップなど。上の1)よりは、リスクを低減しつつ規模を拡大することができる。ただし、その分野と、フランチャイズ経営における高度な専門的ノウハウが必要となる。専門性が高いだけに、そのネットワークを活用してほかの事業をしようとしてもなかなかうまくいかないことが多い。

3)サービスのアウトソース事業化
コールセンター事業や人材派遣事業など、ある特定の機能だけをとりだして、多数の顧客に提供し、スケールメリットを出す。消費者対応が必要ではあるものの、お金は事業者からとるビジネス(BtoB)となる。

4)サービスのメディア化
メディアを活用したサービス。テレビショッピングは、まさしく「小売業のメディア化」である。メディアがリーチする規模が拡大するに伴い、潜在的な成長の限界は拡大できる。ネット企業の場合、一次的には、もともと「サービスのメディア化」ビジネスであろう。

結局、サービス業で上場し大規模な収益を上げている企業は、上記のどれかに入ると思われる。

サービス業を分析する視点から見ると、ネット企業についても色々と新しい見方ができる。Googleの高収益を生み出した検索連動型広告は、検索サービスというユーザーの「個別性」に対応したサービスを提供しつつ、「サービスのメディア化」により規模の拡大を実現したビジネスである。

上記のサービス業の規模を拡大する方法をヒントに、アフィリエイトプログラムとは、「サービスのフランチャイズ化」に似ていないかとか、ネット上での「サービスのアウトソース化」とはなんだろうとか、と考えてみるのは、楽しくて、且つ、きっと有益だろう。

いやいや楽しんでばかりはいられない。ネット企業が本質的に成長の限界をもっているなら、ここは、真剣に上記のサービス業の規模拡大の方法を検討するべきだろう。

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