中国経済の内なる天井

先日(6月26日)「貿易摩擦天井」について書いたけれども、僕がいつも教えていただいているかんべいさんが、「中国が直面する天井」と題したレポートを出されていて、とても参考になる。

そこで述べられているように、この10年の中国の成長を支えたのは、生産性の伸びではなく、資本と労働の投入量の増加によるというのは、実感できることでもある。僕が興味をもったのは、そのなかでも、労働力よりも資本の投入量の増加による貢献が大きいという指摘である。安くて良質の労働力を無尽蔵に投入したかのような印象があるが、95年以降は、そうとはいえない。さらに、2001年以降の中国経済の投資係数(=投資比率/実質経済成長率)が、日本、台湾、韓国の高度成長期に比べても悪いというのは、やや驚きがある。

ただ、どういうスピードでこの「内なる天井」が顕在化するかは、よく見たほうがいいと思う。94年にポール・クルーグマンが「まぼろしのアジア経済」で、アジアの成長は、資本と労働の投入の増加に頼っており、持続しないと書いた。当時、僕は、ひどく感銘して、そのレポートを中国のビジネスをしている友人に配ったりした。実際、僕の目には、90年代末ごろの中国経済は、かなり苦しいようにみえたが、日本ではあまりそのように報道されず、中国については、その指摘が当たっていたがどうか、素人目には、なかなか明白にならなかった。

今回、指摘されている、資本効率と生産性の向上の限界という「内なる天井」と、貿易摩擦という「外なる天井」というのは、確かに直面するように思える。しかし、どの程度はっきりと、どのタイミングで顕在化するかは、かんべいさんのレポートの構成要素をよく読みながら、注意深く見た方がいいと思う。

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