憲法改正論議

憲法改正しても、実質的には何も変わらない。御厨貴教授が「安倍政権は本当に強いのか」でこう書いていて、一理あるなあと思いました。

平和主義、民主主義、基本的人権の尊重などの根幹を変える改正を国民は受け入れません。それだけでなく、参議院を廃止するとか、大統領制にするとかという、現行の法律や制度も大きく変えなければならないような案も、国会の2/3の賛成と国民の過半数の賛成をとり、しかも、関係法規をすべて国会で修正するとなるとほぼ不可能です。結局、国民の日々の暮らしには、全く影響がない範囲での修正しか、憲法改正は、行われないでしょう。

そうすると、現行憲法の文言と今の現実との間に乖離が生じている部分を修正することが中心になります。自衛隊の存在や環境権を認めるなどです。これらは、現行憲法において、かなり苦しい解釈によってかわしていますが、この機会に現状を追認する形ですっきり明記することになるでしょう。

しかし、その憲法改正によって、今の制度、法規制、裁判判決が変わることになりそうもありません。前文の直訳調の文体を変えるとか、判決や政治慣行で認められていることを追認するとか、そういったものにしかなり得ないと思います。

唯一、憲法改正条項だけが、意味ある修正になり得るとは思います。それも、安倍首相が、一時言ってみたものの世論の支持が全く得られなかったので、引込めてしまいました。

そうして、憲法改正案が文体の修正と現状の追認的修正になった場合に、果たして憲法改正をする必要があるのか、という議論が起こるでしょうね。でも、議論は、結局そこにいきつくような気がします。

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