「茶の湯」の現代性

前回の続きです。「茶の湯」は、成立時からグローバリズムと深く関係していました。それと、器を両手でもったときの肌触りを大事にして、触覚に訴える珍しいアートです。「かわいい」という感性、グローバリズム、触覚という現代的なテーマが基礎になっているのがとてもおもしろいです。

茶の湯展を見て普通に驚くのは、国宝、重要文化財の多くが、中国、朝鮮から輸入されたものだということです。そもそも、お茶の栽培と発酵も中国からの輸入技術ですし、利休の茶道の思想的背景には、禅があります。中国、韓国、台湾からの観光客は、どういう思いでみておられるのでしょうか。

時代がたつとともに、茶の湯の世界でも、輸入物から、国産物にブームがうつったりします。しかし、それは、海外のものを深く意識した上で、日本らしい、自分たちの感性にあったものを育んでいます。また、近代にはいって、明治に、海外で勇躍した経済人が、振り返って日本のアイデンティティを確認するように、さかんに茶会をひらいたというのもわかります。

茶の湯は、成立時からグローバルに窓を開け続けてきたからこそ、何百年と活力をもったまま現代まで生き続けて来たとのだと感じます。

もうひとつは、触覚について。よく「五感に訴える」といいますが、触覚を追求したアート・娯楽、文化は、あまり多くありません。

視覚→映像、絵画
聴覚→音楽
味覚→グルメ
嗅覚→香水、ワイン
触覚→??

茶の湯は、五感のすべてを使っています。特に触覚にも重要な価値を与えて工夫しているところが独特です。茶碗を両手でもったときの肌触り、口にあたったときの感触などが、絶妙に計算して器がつくられていています。茶釜の表面も、釜肌といって、触覚を連想しつつ重要な価値をおいています。

現代では、ゲーム機がバイブレーション機能などを搭載しはじめましたが、まだまだこの分野は、色々な方法や工夫ができそうです。バイブレーションなどせず、茶の湯のように単純な「さわり心地」を追求したデザインがでてきても面白いでしょう。その意味でも、茶の湯の現代的意味を感じます。

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この記事へのコメント

らくちん
2017年05月30日 20:59
星の王子様、コメントありがとうございます。出光美術館にも行ってみたくなりました。すばらしいですね。
星の王子様
2017年05月29日 18:34
お茶はいいですね 小生も茶の湯の世界 幽玄で良いと思います。触覚は陶磁器でしょうかね 五島美術館でもよく陶磁器茶器の展示があり出光美術館も同様
古いものは東京国立博物館など 愛知県生まれの小生は瀬戸や岐阜県の多治見など人間国宝ノカタの作品をいただいたこともありコノキジヲ興味深くては拝読しました。

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