ドーハの歓喜

昨日、サッカーU23日本男子代表が、イラクに2-1で勝ち、リオ五輪出場を決めた。ドーハでイラク相手に、ロスタイムに決勝点をとって勝つなんて、本当に感涙ものだ。僕もサッカーを熱心に見るようになったのは、23年前のドーハの悲劇がきっかけだった。今でもゆっくりとキーパーの手の上を超えていくボールの軌跡を鮮明に覚えている。

今日のスポーツ紙各紙は一面に「ドーハの歓喜」などと大きく見出しをつけて、この勝利を報道した。もちろんのことだ。

ところが、デイリースポーツの一面は、阪神タイガースに新加入のヘイグ選手が妻エリカさんとのラブラブぶりの記事だった。この新聞は、2013年、日本がW杯を決めた翌日の一面も阪神の記事だった。・・・もちろんのことだ。え、えらい。

ところで、メディアは、ちょっと手倉森監督を誉めすぎだ。朝日新聞夕刊は、1面の見出しで「五輪導いた 不屈の手倉森イズム」。日経夕刊は、教育と結果の両方を成し遂げた「手腕には敬服するほかない」と結論づけた。

ちょっと言い過ぎだろう。実際、このチームでの活躍をきっかけとしてA代表に引き上げるような選手はでそうもない。木村和司などは、「日本サッカーは退化している」とまで言っている。明らかに、育成よりも、勝負の結果にこだわった采配だった。

それにしても、今回のU23は、これまでの日本の代表には、あまりみられないチームだ。正直、ボールを蹴ったり止めたりは、この20年位の歴代の中で最も下手かもしれない。目を覆いたくなるほどミスが多い。一方でフィジカルは強く、1対1の競り合いでは、5分以上に勝っている。それに、センターバックが制空権を握り続けた。タイとの試合なんかは、タイの方がよほど日本らしいサッカーだったので、見ていて頭が混乱するくらいだった。

そして、なによりも一人一人がしぶとい勝負勘をもっている。結果として、チームとして勝負強い。23年前の「ドーハの悲劇」から正反対の結果になるのももっともだ。

このチームの選手たちが将来どれくらい成長するのか、とても興味深い。

この世代のときに活躍して、次の日本代表のエースと期待されていたのに、結局成長しなかった選手も多い。前園などだ。一方で、この年代では、それほどでもなかったのに、その後成長した選手も多い。岡崎などだ。中田も、この年代のころは、右サイドをしていて、明らかに前園よりも下に扱われていた。

今回のチームでは、海外の一流クラブが注目するほど、技術的に際立つ選手は、ほとんどいない。しかし、今回の連戦で発揮してさらに磨いた勝負勘は、今後の成長に役立つだろう。

相手を知り、自分を知り、現実的に勝てる方法を探して、辛抱強くそれを実行する。こうした勝負勘は、一つのゲームを勝たせてくれるだけでなく、サッカー選手としてのキャリアでも勝たせてくれるだろう。

川口元チェアマンが言っていた。
中田よりボールを上手に蹴る日本人選手はたくさんいた。名波、前園、小笠原…
中田が偉いのは、選手としての「倒れない。転ばない。」というコンセプトをもって、それを追及しきった。現代サッカーでは、「倒れない」のが必要なことで、かつ、自分の強みだと見切って、実行したのが素晴らしい。

そう思えば、今回の選手からも、現代のサッカーが求めるものと、自分の長所・短所を冷静に見極めて、辛抱強く実行する人がでてきてもおかしくない。それくらい冷静な勝負勘を持っていることは、今回の成功で証明できたと思う。

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