短期政権の構造

日本人のほとんどが、せめて4年以上の政権をのぞんでいるだろう。ところが、最近の日本の政治では、あろうことか与党の政治家が首相を批判し引きずり降ろそうとする。(思い返してみると、自民党が与党のときもそうだった。)そのくせに、そうした与党民主党の政治家は、今度は、解散、総選挙に反対していた。ちょっとした構造問題があるようだ。

今回の選挙にあたって、民主党から離党した人たちの行動は、実に興味深い。彼らは、野田首相を批判し、与党の法案に反対した。そうしたいざこざも一つの原因で、解散総選挙になった。そうすると、解散に反対だ、やってられないといって離党した。そんなに解散がいやなら、最初から歯を食いしばって首相を支えていればいいのにと思う。世間もよくみていて、解散騒動で一番世論の支持を失ったのは、野田首相でも野党でもなく、あわただしく民主党から離党した議員だ。

そもそも、議院内閣制は、大統領制よりも安定した政治ができるはずだ。議会の多数派がリーダーを出すのだから、大統領と議員とをそれぞれ別の選挙で選ぶ大統領制よりも権力がねじれる可能性が少ない。しかし、最近の日本では、与党の政治家が首相を批判し引きずりおろそうとする。それで、首相が退陣に追い込まれ、一年交代の短期政権になる。

与党の選挙基盤の弱い議員からしてみると、前回の選挙で大勝した議席を維持するため、自分の議席を守るため、できるだけ選挙は後にのばしたい。しかし、首相が変わり、内閣が変わると、自分が大臣になるかもしれないし、その過程でテレビにでられたりする。基本、流動的な方が自分の出番が回ってきやすい。従って、次の選挙で負けるかもしれない議員にとっては、解散・選挙はしないで与党内において首相が短期にくるくる変わるのが、一番ありがたい。

かつて自民党の長期政権時代には、自民党が過半数をとるのは、自明だったので、自民党内の多数派が首相をだした。それでは、1/2x1/2で国民の1/4の支持を得ているだけの政治家が首相になってしまうと批判されていた。

現在、選挙に勝った与党が総選挙なしに、党内事情で党首と首相を変えている。この場合、与党の過半数の支持を受けた人が、首相になる。特に、総選挙を経ずに首相になった人は、いわば1/2x1/2で国民の1/4しか支持を受けていないことになる。自民党の長期政権は終わったが、首相が国民を代表している感じがしない点は、結局、変わらなかった。

しかも、このようにころころと首相を替えつつ、しかも総選挙をしないのが、与党の議員にとって最も合理的な行動になる。議員とて人間、自分が失業しないための行動をとることを非難できようか。

憲法改正などのおよそ実現不可能な方法ではなく、この短期政権の構造を変えるには、「与党が首相を変えるときは衆議院を解散して総選挙する。」と与野党でルール化しないといけないだろう。具体的には、与党が参議院選挙で負けたからといって、衆議院の解散総選挙なしに、首相を変えることはしないことになる。そうでもしないと、ねじれ国会の解消だけでは、短期政権は、なくならないと思う。

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この記事へのコメント

らくちん
2012年11月28日 22:53
すぎしたさん、コメントありがとうございます。いたたた。鳩山さんは、ひどかったですね。総理になってからダメだと分かった時に、引きずりおろせるのは、日本の制度のいいところでもありますね。理想を言えば、だめな首相はさっさとやめさせて、すぐに選挙をするということになりますでしょうか。難しいです。
すぎした
2012年11月25日 23:17
いや、前提が間違っているでしょう?

>せめて4年以上の政権をのぞんでいる

貴君は鳩山内閣が今もつづいていることを期待しているのですか?

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