4勤2休

夏場の電力不足は、4勤(日勤)2休で乗り切ればどうだろう。ピーク電力を25%くらい削減できる。今、一般の工場やオフィスは、月曜日から金曜日まで働いて土日に休む週休二日(5勤2休)である。それを、曜日にかまわず、4日働いて2日休むようにするのだ。さらに、今、土日に営業している、小売り・サービス業は、平日の休みを一日増やす。家庭は、一日おきに、昼間の空調停止をする。そうすれば、全体でピーク電力を25%くらい削減できる。

夏場の電力不足解消の為の色んなアイデアがでている。次の点に留意して、僕もいっちょ考えてみた。
・ 社会全体でインパクトのある大きな規模の方策を考えたい
サマータイムやナイター中止程度では、おいつかない。規模感が違っている
・ 生産と消費と両面で経済活動をできるだけ停滞させたくない
・ 企業や家庭の、それぞれの大きく異なるニーズに配慮したい
・ できれば、今夏だけでなく、来夏以降も役立つ仕組みにしたい
・ 日本人の特徴を活かしたい
組織力というか横並び意識というか、規律正しい所を活かしたい

上の目的を念頭に、いくつかの事実の確認と洞察をしてみた。
○ 消費電力は、①生産設備 ②オフィス・サービス ③家庭、が、それぞれ約1/3
従って、どれか一つのセクターだけの施策で全体を25%程度削減することは、不可能に近い。
○ 春は、大丈夫なのだから、仮に空調を全部切ってしまえば、足りる規模ともいえる。
○ 経済活動の停滞を避けるために、電力消費総量を減らすよりも、ピークを減らしたい。
○ ピークの波は、平日にあがる曜日の波と、昼間にあがる時刻の波と二つある
今の問題は、夏の平日の昼間のピーク電力をできるだけ抑えることである。
○ 停電・節電について、家庭は、時刻決めで対応、企業は、日決めで対応がいい
計画停電を経験して思ったのだが、企業にとっては、一日の内の数時間停電というのは、対応困難で、いっそ、数日停電無しで、ある日まる一日停電の方が対応しやすい。一方、家庭は、ある日丸一日停電というのは、困り、一日の内数時間停電の方が対応しやすい。
○ 家庭の場合、マンションの給水ポンプや冷蔵庫を、止められると大変困るが、空調・テレビを数時間止めるくらいなら耐えられる。

そこで、それぞれの主体に、次の手を打ってもらうとどうだろう。

A) 工場・オフィスは、4勤(日勤)2休
今、一般の工場やオフィスは、月曜日から金曜日働いて土日に休む、週休二日制で、5勤2休である。それを、曜日を無視して、4日続けて働いた後2日休むようにするのだ。簡単なモデルで、効果・影響を計算してみよう。

週休二日で、平日の消費電力は100であり、休みの土日の消費電力ゼロの会社を仮定してみる。そういう企業が、今夏から、曜日にかかわらず、4日営業して2日休むというサイクルを繰り返したとする。多くの企業がそのサイクルをバラバラにスタートすれば、休みの日が平準化する。例えば、42日間でみると、4勤2休だと、営業をする日が、28日あり、その消費電力が日により均等になるのだから、100x28÷42=66.7となる。つまり従来の週休二日と比べ、ピーク時33%の削減となる。

内訳をみて検算してみると、曜日により消費電力が平準化することによって、100x5÷7=71となり、つまり約3割のピーク削減の効果がある。さらに、休みが増えている効果をみると、42日間でみると、従来の週休二日での営業が30日に対し、4勤2休の営業が28日となり、2日間営業日が減り、これは、約6.7%(=2÷30)の削減効果になる。曜日の平準化効果と、総量の削減効果を掛け合わせると、33%(=1―0.71x0.94) の削減となる。

一般的な土日が休みの週休二日をとっているメーカーは、工場だけでなく事務系のオフィスも、この4勤2休を使うべきだ。決済系をやっている銀行以外の金融や商社も、そうすればよい。そうすれば、通勤電車の混み具合も減り、本数も減らすことができる。

現実には、休みにしても機械設備にそこそこ電気を使っているから、33%の削減といかないだろう。また、どうしてもそういう休みの取り方が出来ない会社もある。しかし、20~25%のピーク電力の削減には、なるだろう。

経営者にとっても、42日間で、2日休みが増えるだけなら、経営にそれほどの影響はでない。今は、サプライチェーンが発達しているので、業界毎に、同じサイクルで休みにした方がいい。自動車業界は、6月20日スタートの4勤2休、電機業界は、6月22日スタートの4勤2休という具体である。これは、来年以降も、学校の夏休み期間中に使えばどうかと思う。

これにかえて、例えば、各会社が、土日に稼働して、平日に二日休みをとれといっても、なかなか、浸透しないだろう。日本の社会は、横並び意識が強いので、「4勤2休」というルール化された社会的要請を打ち出し、業界ごとにきめごとにして浸透させるのが、最も効果的だ。

これが可能なのは、日曜は休まなければならない強い宗教上の要請がない日本だからできることで、日本社会の特徴を活かしている。尚、通常「4勤2休」というと24時間稼働の工場での夜勤をいれて、4日出勤して2日休むことを指す。従って、4日勤2休と表現すべきかもしれない。

B) 小売り・サービス業は、平日週休二日
普段、土日に営業している小売・サービス業には、上記A)の4勤2休は、意味がないので、一週間に一日、平日の休みを増やすのがよい。デパートなどは、普段、平日の火曜などが、休みになっているが、もう一日、平日の休みを増やすのだ。定休日のなかったスーパーやコンビニは、平日に一日休みをいれる。

これも簡単なモデルで計算してみよう。平日の営業日の消費電力は100、一週間に一日ある平日の定休日の消費電力0のデパートを仮定してみる。そういう多くのデパートが、一週間に二日、平日に休みをとるとする。その場合、従来は、毎週平日5日間のうち、曜日はばらけつつも、どこも4日間営業したとすると、100X4÷5=80が一日の消費電力である。そのデパートが、平日の営業日を3日間にしたならば、100x3÷5=60となる。つまり、60÷80=0.75で、25%の削減となる。工場と違って、デパートなどは、営業していないときの電力消費は、ゼロに近いだろうから、A)のように歩留まりをみなくて、そのまま25%削減できると考えていいだろう。

デパートだけにとどまらず、スーパーやコンビニも、平日に休みをとればよい。消費者にとっては、あるコンビニが休みでも、今や関東では、ほんの数百mも行けば、別のコンビニに行けるのでそれほど不便ではない。コンビニにとっても、自分が休みの時は、売上がたたないが、隣のコンビニが休みの時は、売上が上がる。消費者がコンビニで買うものなんて総量は、変わらないだろうから、もし、競合のコンビニも同じだけ休みをとってくれるなら、全体の売上は、それほど落ちないだろう。これも4日÷5日で、およそ20%の削減効果がある。

コンビニやスーパーなど、普段、一日も休んでいないところは、平日に少なくとも一日は、休むように決めるべきである。これもできるだけ日がばらけるように、セブンイレブンは、月曜、ローソンは、水曜、と、話し合って決めた方がよい。

ちなみに、先に述べたA)やB)の手法を使うなど、なんらかの産業界の対応を行うには、労働基準法と独禁法の運用緩和を決めておくことが必要だろう。その上で、企業に、A)の4勤2休をとるか、B)の平日二日休みをとるか、選択させればよい。企業により個別の事情があるだろうから、一律に強制するよりも、現場にオプションを渡した方が現実的だ。

C)家庭は、一日毎に、昼間の空調停止をする。
各家庭は、一日毎に、昼間11時~16時までの空調を自分で停止するようにする。東京都民とそれ以外などと、大きく地域を二つのグループに分けて実施する。家庭の空調は、大抵の場合、室外機が動いているかどうか外から見えるので、空調を切っていないと隣近所からみとがめられる。効果が大きければ、頻度を減らし3日に1日だけ、空調停止としてもよい。あまり効果があがらないようなら、細かい地域ごとの一世帯あたりの電力消費量をインターネットに公表してもいい。僕個人は、好きな手法ではないが。

一時停電よりは、この手法の方が、家庭にとっては負担が軽い。停電となると、マンションの水道ポンプがとまり、便所も使えなくなる。冷蔵庫の中の食品もいたむ。それよりも、空調をみんなで厳格に一斉に消して、ポンプも冷蔵庫も使っていた方がいい。一日おきに、それも数時間だけの空調停止なら、熱中症で死ぬこともないだろう。

これは、日本人のモラルの良さというか、横並び意識というか、相互監視というか、いずれにせよ、規律正しさを使おうとするものだ。日本の家庭の分別ゴミは、実に見事に秩序だっている。分別ゴミで発揮されている、地域の相互監視力を使うのである。

ここで述べたA)、B)、C)の施策を実行すれば、電力消費のピークは、25%以上削減できる。一市民としては、現在の計画停電よりは、負担が軽いと思う。シナリオ的に一市民の立場でみてみよう。

会社には、土日も行かなければならないが、4日行けば、休みになるので、楽である。通勤電車も空いている。休みのサイクルの違う取引先との連絡は、やや面倒だが、どのみち最近は、電話でなく、電子メールでのやりとりが多いので問題は少ない。二日連続平日に休みがあるので、昨年の土日よりは、すいている平日に、夏休み中の子供と行楽地に1泊2日の旅行にもいける。ときどき、コンビニ、スーパー、デパートが休んでいるが、隣の店に行けば事足りる。空調を一日おきの昼に切るのは、暑いが、それこそデパートかスーパーにでも行って涼んでいればよい。

どうだろうか。

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この記事へのコメント

らくちん
2011年04月17日 15:03
なりひらさん、コメントありがとうございます。土日が休みの週休二日のところが、曜日のピークをならせば、思ったより効果が大きいですよね。
なりひら
2011年04月04日 16:55
4勤2休は、石油精製や一部石油化学メーカーでも導入しています。休日が増えるので若い人にはいいでしょう。私の所属企業では、フレックスの徹底活用、在宅勤務等も取り入れながら、25%を達成しようと準備を進めています。
http://happy.ap.teacup.com/applet/ibaraki-doji/msgcate2/archive

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