中国の外交

前回、アメリカの外交について書いたので、今回は、それとの対比において中国の外交を書いてみたい。中国の外交は、アメリカのように民主主義とかの価値について云々しない。要は、中国に対して、望ましい行動をする国を支持し、いやな行動をする国に反対する。内政不干渉とも言えるし、実利主義とも言えるし、ある意味、朝貢外交の歴史に根ざしているとも言えるだろう。

今の中国の外交は、アメリカのように内政のプロセスを問うことはない、独裁制であろうと、共産主義でないバリバリの資本主義であろうと、あるいは、民主主義国であろうと、関係ない。

要は、中国にとって、望ましい外交をしているかどうかで、支持が決まる。つまり、資源を供給しているか、台湾に厳しい態度をとっているか、中国がお金儲けをできるか、中国の安全保障上貢献しているか、中国の人権問題についてふれるか。それのみを問い、どういう内政プロセスで、そういう政策をとるに至ったかは問わない。

アメリカが、対象国の内政のプロセスまで問うことによって、外交に矛盾が生じ、整合性がとれなくなるのと、実に対照的だ。プロセスを問わないだけに、こうした中国の政策は、一貫していて、ある意味、整合性がとりやすい。その分、友好国には、分かりやすい面もある。だから、極めて現実的で、実効性が高い。隣国としてつきあわざるをえない日本人としては、奇妙な外交と決めつけて思考停止におちいっていては、いけないと思う。

中国の外交について、簡単な説明を試みた。

この他に中国について、過去に、ビジネスについてと、内政についてと、書いたことがある(下記参照)。上記外交についての見立てと合わせ、読んでいただければ嬉しい。

○ 中国のビジネスについて: 中国人の理解(2005年4月)
中国人のビジネスを理解するには、奇妙な行動をする人とみるよりも、貧乏で且つ頭のいい人の合理的行動と理解する方がいいと書いた。
今となっては、成長した中国について、「貧乏な人」との理解は、必ずしも正しくはないだろう。しかし、「お金に対して自分よりガッツのある人」と読み替えれば、このときの認識は、今でも通用すると思う。

○ 中国の内政について: 中国の政権の正統性(2010年11月)
中国の民衆は、中国が大国であることの利益をよく理解しているために、統一を維持している政権に対して、非民主主義的側面があろうとも、支持していると、書いたもの。

中国のように巨大で複雑なものは、まずは、こうした単純な視点でみて、後は、その場の現実の状況を詳細までよくみて対処するしかない。あんまり複雑なモデルを事前に準備してみても、きりがないと思う。果たして、上記のような試論がどこまであてはまるか、今後、みていくのが楽しみではある。

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この記事へのコメント

らくちん
2011年02月24日 23:07
susuさん、コメントありがとうございます。チュニジアは、分かりませんでした。リビアが体制崩壊後、どうなるかも、なかなか予想できません。こんなときに、すもうとオザワの話は、もうやめて欲しいですよね。
susu
2011年02月24日 10:04
「中国政権の正当性」にコメントさせていただいた者です。今回の記事も実にうまくまとめられたものだと感嘆するばかりです。

ところでこの前の日曜日、「中国版ジャスミン革命か!」とばかりに沸き立つ一部の報道と、「中国崩壊」を早くも祝うかのような一部の反応は見ていて実に興味深いものでした。「正当性」の記事をもっと多くの人が読んでいてくれればとも思いましたが。

もっともチュニジアの件は全く予想外でしたから私も偉そうなことなど言えません。誰か予想できた方はいるのでしょうか?エジプトとリビアはともかく…

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