資源配分と金融
宇宙人がはるか上空から、市場経済の働いているところには、赤い色がついて見えるサングラスをかけて地球をみている。その宇宙人の目には、21世紀初めの地球は、ごく一部のところどころだけが、川のように、あるいは、せいぜい動脈のように赤くなっているだけだ。他の大部分は、政府内、企業内、家庭内の非市場取引で、青いままの地球にみえている。うろ覚えだけれども、こんな話が、たしかあった。(なんの本だろう?)
前回、人口減少の低成長下では、資源配分のコストが高くなり、それを避けると今度は、資源配分が固定化しやすいと述べた。資源配分を固定化せずに、安いコストで動的に最適化する試みが、市場経済であり、金融である。
ここで、まず最初に、思い出さなければならないのは、冒頭の宇宙人の話だ。今回の金融危機で「市場経済」への賛否の議論が高まっている。しかし、そもそも、市場経済がこれほど普及したようにみえる21世紀でも、経済活動の大半は、政府内、企業内、家庭内の非市場取引で行われている。実体経済全体における市場経済のボリュームは、実は、地球を塗りつぶすほど大きくはない。
この事実を認めた次に、ようやく、市場経済によって、資源配分を動的に最適化する話になる。価格メカニズムは、需要があるのに供給が少ないものを供給するひとに、大きな利益を与える。その利益がインセブティブになって、ヒト、モノ、カネの資源が、欲に目がくらんで集まってきて、供給が増える。そうして、資源の最適配分が、活力を持って実現されるというわけだ。
そのうち、その資源配分だけを特化してやろうとする職業ができてきた。これが金融だといえる。資源の、迅速で平和な最適配分を行う装置、あるいは、その装置のメンテナンス係が、金融業だった。
今回のアメリカの金融バブルの崩壊は、この資源配分屋が、あまりに巨額の収入を得、また、もっと巨額の収入を得るために無理をして、資源そのものを壊してしまった。ピザを切るナイフが、ピザよりも大きくなり、自らピザを食べ、そしてついに、ピザを皿ごとぶち壊してしまった。
それでも、今後も環境が変化するのが確実であるならば、前回述べたように、カースト制のごとく硬直的でない、市場経済の資源配分の方法を取らざるを得ない。
とすると、また話は、振り出しに戻る。高齢化が進み、人口が減少し、低成長になるなかで、平和で公正で、環境変化に即応する資源配分がますます重要になる。その資源配分を担うのは、結局、今回の金融不況でミソをつけた市場原理であり、金融業である。
特に、高齢化が進めば、世代間の資源配分の問題、すなわち、年金が社会全体の重要な問題になる。これもまたすぐれて金融的なイシューだ。年金ほど、金融の基本的で重要な諸相を併せ持っている分野は他にないだろう。
やれやれ、いくらいやであろうとも、やはり、市場だの金融だのと真剣に向き合っていかざるを得ないようである。
前回、人口減少の低成長下では、資源配分のコストが高くなり、それを避けると今度は、資源配分が固定化しやすいと述べた。資源配分を固定化せずに、安いコストで動的に最適化する試みが、市場経済であり、金融である。
ここで、まず最初に、思い出さなければならないのは、冒頭の宇宙人の話だ。今回の金融危機で「市場経済」への賛否の議論が高まっている。しかし、そもそも、市場経済がこれほど普及したようにみえる21世紀でも、経済活動の大半は、政府内、企業内、家庭内の非市場取引で行われている。実体経済全体における市場経済のボリュームは、実は、地球を塗りつぶすほど大きくはない。
この事実を認めた次に、ようやく、市場経済によって、資源配分を動的に最適化する話になる。価格メカニズムは、需要があるのに供給が少ないものを供給するひとに、大きな利益を与える。その利益がインセブティブになって、ヒト、モノ、カネの資源が、欲に目がくらんで集まってきて、供給が増える。そうして、資源の最適配分が、活力を持って実現されるというわけだ。
そのうち、その資源配分だけを特化してやろうとする職業ができてきた。これが金融だといえる。資源の、迅速で平和な最適配分を行う装置、あるいは、その装置のメンテナンス係が、金融業だった。
今回のアメリカの金融バブルの崩壊は、この資源配分屋が、あまりに巨額の収入を得、また、もっと巨額の収入を得るために無理をして、資源そのものを壊してしまった。ピザを切るナイフが、ピザよりも大きくなり、自らピザを食べ、そしてついに、ピザを皿ごとぶち壊してしまった。
それでも、今後も環境が変化するのが確実であるならば、前回述べたように、カースト制のごとく硬直的でない、市場経済の資源配分の方法を取らざるを得ない。
とすると、また話は、振り出しに戻る。高齢化が進み、人口が減少し、低成長になるなかで、平和で公正で、環境変化に即応する資源配分がますます重要になる。その資源配分を担うのは、結局、今回の金融不況でミソをつけた市場原理であり、金融業である。
特に、高齢化が進めば、世代間の資源配分の問題、すなわち、年金が社会全体の重要な問題になる。これもまたすぐれて金融的なイシューだ。年金ほど、金融の基本的で重要な諸相を併せ持っている分野は他にないだろう。
やれやれ、いくらいやであろうとも、やはり、市場だの金融だのと真剣に向き合っていかざるを得ないようである。
この記事へのコメント
2)従って、新興国に対してODAなどで日本にとっての外需を刺激する策が有効だ。海外でのM&Aも活発である。
3)内需では、「従来型」のバラマキ対策*のかわりに、雇用確保(農林業、介護など)や潜在成長率を高める事業(羽田の拡張など)に傾斜する。*なお、高速道路(第二名神など)や整備新幹線の延長工事などは、明らかに「選挙対策」であり、スジが悪過ぎる。