あなたの会社のインパール作戦

史上最悪の作戦といわれるインパール作戦。その失敗の分析を読んでいると、今の日本の会社でも、あちこちで行われているような気がした。関係当事者の多くは、明らかに無謀な作戦なので、自分が強い反対をしなくても、実行許可が下りるはずないと信じていた。トップと人的関係の強い牟田口中将がするすると実行許可をとってしまった。身近にあるんじゃないだろうか、Docomoのロゴ変更とか、裁判員制度の導入とか。

菊澤研宗「組織の不条理」は、インパール作戦にこう書いている。

当時、各兵団の第一線の多くの参謀たちは、インパール作戦は無理あるいは無茶と思っていた。それゆえ、結果的に、この作戦は中止されることになると考えていた。だから、この作戦の成否の見通しについて問われたとき、積極的に反対するものはいなかった。ほとんどの参謀たちは、言葉を濁し、沈黙したままであったといわれている。

この作戦の勝利に様々な個人的政治的利害をもっていた司令官たちは、この作戦の成功率がゼロでない限り、この作戦を中止したり何もしないでいることは、いたずらにコストを増加させることになると考えた。

こうしてインパール作戦の反対者は淘汰され、様々な個人的政治的利害を追及する人々が生き残り、非効率な資源配分をもたらすインパール作戦実地が合理的に承認されるというアドバース・セレクション現象、つまり逆淘汰現象が日本軍に発生したのである。(引用終わり)


インパール作戦が逆淘汰だったかどうかは、らくちんには、よくわらからない。関心のある方は、「組織の不条理」を読んでいただきたい。

ただ、ここで描写されている意思決定のプロセスをみると、日本の組織ではよくあることにみえる。政治性の強い中堅幹部が強く執拗に無謀な作戦を主張する。現場は、みんなありえないので通ることはないだろうと、あえて大きな声で反対しない。意思決定者のトップは、そんなに大きなリスクとの意識することなく、すーと承認してしまう。ドコモのロゴ変更とか、裁判員制度の導入などは、そんな結果ではないかと思えてくる。

インパール作戦の結果は、次のとおり惨憺たるものであった。(「組織の不条理」からの引用の組み合わせ)

あまりに多くの日本軍将兵が力つきて倒れ死んでいったために、インパール・コヒマ周辺の道は「白骨街道」といわれている。飢え、マラリア、赤痢に苦しむ兵士のなかで疾病の戦友を運ぶことに愚痴をこぼす者はいなかった。道ばたに負傷兵が横たわり、目、鼻、口にウジ虫がうごめいていた。髪にウジが集まり、白髪のように見える兵士もいた。また、ぱっくりあいた腿の傷に指を入れてウジをほじくり出す兵士もいた。血と泥にまみれ、人間か土かわからないような者もいた。まさに、インパール作戦は、この世の生き地獄を再現した戦いであった。

牟田口司令官は、ビルマの軽井沢といわれるメイミョウから各師団にただ前進だけをひたすら命令した。結局、牟田口司令官は、戦意不足を理由に三人の師団長を次々と更迭していった。日本の各師団の兵力は、作戦開始前の25%に激減した。この戦いでの日本軍の死傷者は、5万人以上であった。

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この記事へのコメント

らくちん
2008年06月12日 00:08
MMさん、kさん、コメントありがとうございます。サマータイム、危ないですねえ。お年よりは、早起きですからねえ。福田さん、危ない。今のDocomoのロゴって、Vodafoneの猿真似にみえるのは、僕だけでしょうか???
K@神奈川
2008年06月09日 09:56
Docomoのロゴ変更は、インパール作戦?
そうだったのか!あれはデザイン的にも???ですよね。どんな裏があるのかと思っていたら単なる間違いだったんですね、納得!でもこれは看板やら印刷関連の業者には慈雨ですよ。
MM
2008年06月09日 01:33
同じ理屈でサマータイムが導入されたりしないことを祈っています・・・

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