聖火騒動

なんだか、今回のオリンピックの聖火に伴う騒動は、一般の日本人には、やりきれないというか、胡散臭いというか、すっきりしない話だったと思う。聖火ランナーを襲うフランスの活動家の姿に、日本の調査捕鯨船を襲うオーストラリアの活動家の姿を思い出し、中国での反仏デモを見て、反日デモの映像を重ねたのは、らくちんだけだろうか。

まず、普通の視点から何がよくて何が悪いのか、あたりまえの基準を冷静に挙げておこう。

○ 暴力はいけない
中国を応援する側にしても、批判する側にしても、暴力はいけない。聖火を持っている善良な市民を襲うのは、いけない。また、中国内にいるフランス人に暴力を振るうのもいけない。

○ 言論の自由は守られるべきだ
批判するのも、非暴力的な方法なら、悪いことではない。反仏デモにしても合法的なものなら、許容するべきだと思う。中国を非難する欧米の活動家も合法的で非暴力的な方法なら、言論の自由として認めるべきだ。また、日本で、中国の人が中国の国旗をたくさん振るのも、認められるべきだ。少なくとも日本においては、日本人や日本政府が反対の意見であっても、その意見を表明する自由を保障されるべきだと思う。

とりあえず、上記のあたりまえの基準を持って、斜めの視点から、今回の騒動を見てみると、中国人とフランス人との、発想の違いが見えてくる。

中国の人にとっては、国際政治は、すべてが国と国との関係だ。聖火がフランスで襲われたなら、フランス政府、フランス企業、フランス人すべてが、中国を批判していると感じる。そしてまた、中国のカルフールをこらしめれば、フランス政府、フランス企業、フランス人の全てが考えを変えると予想する。

これは、中国がそういう国だからだろう。中国の人が中国内で行うデモや意見の表出は、基本的に中国政府と異なるものでもないし、在外中国企業は、中国政府と相互に影響力があるのだろう。

いうまでもないことだが、反中国活動家フランス人は、フランス政府の意見とも実体とも異なるし、まして民間企業は、まったく関係ない。国と企業と個人は、異なる政治的意見を持っているのが普通だ。そして、互いの思想信条については、影響力を持っていない。カルフール中国店の売り上げが減ったところで、フランスの活動家は、手を叩いて笑うことはあっても、涙を流して悲しむことはないだろう。このあたり、中国とフランスの文化と社会を示していると言えまいか。

韓国では、聖火の周りで激しいやりとりがあったようである。これもまた、何かと気性の激しいお国柄を反映しているようにみえる。

日本では、フランスや韓国に比べればおとなしいものであった。ただ、おびただしい数の中国国旗が長野で振られていたのに、違和を感じたくらいだ。今日、テレビで、あるコメンテーターが、「あれを中国国旗でなくて、五輪旗にして、みんなで振っていれば、中国の世界でのイメージアップになったろうに。オリンピックを国威発揚の場ではなく、国際交流の場と考えてほしい。」と言っていたのが、面白かった。これはまたこれで、日本人らしいのんびりとした平和なコメントと言えるだろう。

そういえば、今、読んでいる「各界著名人セレクションBEST 13 OF ゴルゴ13」(お勧め!)というのに、チベットの話が出てくる。(「白龍昇り立つ」)ダライラマに依頼されたゴルゴ13が、パンチェンラマを連れてエレベストを超え、中国から逃げ出す話しだ。

おっと、念のために言えば、ゴルゴ13の活動は、日本人の思想信条にも日本政府の意図にも、無関係である。ふむ、らくちんもそうである。

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この記事へのコメント

らくちんさん
2008年04月29日 21:27
KUさん、kさん、コメントありがとうございます。そうですよね、一部の方の反応だけをみてその国の人のすべてと考えるのは、よくありませんね。一方で、世界には、こういう人もいるんだとか、組織的にこういう対応をする国もあるんだというのは、結構、興味深く見ています。それが、五輪なのかもしれません。
k@神奈川
2008年04月28日 23:38
かく言う日本人だって、なかなかのものです。最近の映画や餃子騒動も、私の周囲の外国人には異常な理解しがたい光景のようです。それぞれの一面的な行動や報道のみが、その国や国民の総意ではないことを冷静になって考えましょう
KU
2008年04月28日 22:58
長野は、「日本人相手なら何をしてもいい」という意識が爆発して、中々素晴らしい光景が広がったようです。
[駅前のモニュメントを占領する中国人」
警察官に「注意しろよ」といっても完全無視
http://jp.youtube.com/watch?v=TiW0TNqSVdA

これからはヤンキーの連中には中華人民共和国国旗を振って走ることを勧めましょう。きっと何しても警察は許すでしょう。

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  • 報道されない真実

    Excerpt:  土曜日の聖火リレーは逮捕者をだしながらも無事終了と報道だれたわけだ。それにしてもどこの国かと間違う沿道の赤い旗。儒教が育まれた国とは思えない。旗を振るなら五輪の旗を振るのが礼儀じゃなかろうか。 で、.. Weblog: すきま風 racked: 2008-04-28 10:50