インフルエンザとSARS

僕が、台湾に駐在していたころ、SARSが流行したとき、タクシーに乗る緊張感と心の交流のようなものをHPに書いたことがあります。新型インフルエンザは、SARSよりも怖く、こんな悠長なことをやっている場面はあり得ないかもしれません。しかし、SARSのときの社会全体の緊張感のようなものを伝えられたら、ピンとこないインフルエンザのこともリアリティをもてるのではと思って紹介します。

2003年5月23日に「SARS時代のタクシー」と題して、次のように書いています。(そのままコピーです。)

○ タクシーでの感染というのも、可能性0では、ありません。乗客がタクシーでSARSをうつされることもあるし、運転手が乗客にうつされることもありえます。

○ そこで、タクシーに乗り込むときは、ちょっとした緊張感があります。乗客が行先を言うとき、バックミラー越しに運転手の顔を見ながら、(咳、してないよね。マスクしてるよね。)と確認します。運転手さんの方も、行き先の場所の確認をしながら、(熱、ないよね。マスクしてるよね。)とこちらを検分しているのを感じます。

○ お互い、大丈夫そうだと分かると、少し一息いれます。
これで、うつされたらしょうがない。
一期一会。一連托生。窓を開けて、空気を入れ替えながら走りましょう。
てな、感じですね。

○ 台湾では、よく、タクシーの運転手が人懐こく話しかけてきたものです。(ココ)しかし、SARSが流行り始めてから、余り話し掛けてこなくなった気がします。マスクをしていて話しづらくなりましたから。それに、なんだか話し込むとうつるような気もしますから。

○ お互い黙って車が進みます。車のスピードが出てくると、窓からの風が耐えられなくなるほど強くなります。びゅーびゅーと風が顔にあたると、これでカゼをひくのではないかと思います。そこで、また、バックミラー越しに運転手の顔色を見ながら、遠慮がちに窓を少ししめます。窓をしめるのを運転手が拒否する事もあります。だって、運転手さんだって、ちょっと命がけですもの。ですから、完全には、閉めません。

○ こうして、かすかな緊張感をもって、しばらく、右へ左へ道を進んでいくと、運転手さんと妙な連帯感すら感じます。余り話しませんけれど。マスクの上からでている目だけをお互い見つめて、会話をしているようです。前の車の運転、ひどいよねって。バックミラー越しに。

○ 目的地に到着してお金を払う時は、昔より少し心をこめて「謝謝(シェーシェ)」と言える様になった気がします。運転手さんも、昔の明るく元気な人よりも、しっとりとやさしい人が増えたように思えます。ぼそりと言ってくれます。端数の5元いいよって。

○ もしかすると、口を覆うことによってコミュニケーションが豊かになることもあるのかもしれません。

(引用終わり)

怖いながらも、なんとか、心を暖めながら生きていこうとしていたあの頃が、僕自身も少し懐かしくもあります。

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この記事へのコメント

らくちん
2008年02月04日 23:11
kさん、コメントありがとうございます。一街区立ち入り禁止になったり、そこにすんでいる娘さんが婚約破棄にあったり。でもそのときは、真剣でした。もう一回、味わいたくないです。
k@神奈川
2008年01月31日 00:40
そうそう、思い出しますね。出勤のたびに会社のビルの入り口で体温を測らされた、なんてこともあったようです。とにかく虚実織り交ぜた情報が飛び交いましたね。

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  • 心配なこと

    Excerpt: 風邪ひいてなおって、今一番気になるはこのニュースだったりします。 CNN.co. Weblog: 門司港に暮らしながら-ココログ別館- racked: 2008-02-06 07:17