サービス業の本質

僕は、以前に、ココで「インターネットビジネスは、サービス業である。インターネットビジネスを製造業と勘違いしている人が多い。」と述べた。そう言ったてまえ、一旦ネットの議論から離れ、サービス業の本質は何かということについて基礎から考え直そうとしていた。この点について、丁度、「リテール金融マーケティング」(戸谷圭子)の中に、示唆的な記述があったので、記しておこう。

サービス・マーケティングの研究者の間での教科書的基礎知識として、「サービスのIHIP特性」というのがある。サービスをモノとの違いから見ると、「無形性:Invisibility」「不均質性:Heterogeneity」「同時性:Inseparability」「消滅性:Perishability」という4つの特性がある。

無形性:モノは、有形(物質)で、サービスは、無形(非物質)
不均質性:モノは、生産においてほぼ均質。サービスは、生産において不均質
同時性(不可分性):モノは、生産が先行し、消費は後。サービスは、生産と消費が同時。
消滅性:モノは、ストックできるものが多い。サービスは、ストックできない。

ちなみに、サービス関連の1975年から83年の論文を調べると、「無形性」についてはすべての論文に、「不均質性」については7割程度、「同時性」は約半数、「消滅性」は半数弱の論文に記載があるという。そういう研究が1985年にされたのが、「IHIP特性」の発端だという。

もちろん、この4つの特性は、独立しておらず、互いに密接に関連している。「生産と消費が起こるからこそ、品質を均一にたもてなくなるなるのであり、無形であるために、その場で消滅し、後に残らない。」(同書)

ただ、このIHIP論も、2000年代になってから、主としてその提唱者自身から否定論が出始めている。そこで、「レンタルこそがサービスの特性」としたり「利用権の予約や、有体財の利用権」という整理もでている。

以上のようにサービス業の本質についての整理をしてから、インターネットビジネスについて考えてみると面白い。なんといっても、サービス産業の比重の高まりは、インターネットの普及よりも、もっと昔から進んできた息の長い大規模なものだ。そして、インターネット業界自体が、ビル・ゲイツがいうように「サービス化の波」に今さらされているからだ。

例えば、サービス業は、生産と消費が同時に行われストックできないだけに、事業の規模が小さく、個人事業者の重要性が高い。しかし、資本主義社会では、巨大資本もこの拡大するサービスの世界を座視できず、なんとか侵入しようとする。そこで、個別対応を要求するサービス業に進出しながら、株式市場に上場できるだけの規模を確保する一つの解が、インターネットを利用したロングテールでのビジネスともいえる。

このように、このサービス業の本質から、インターネットビジネスやWEB2.0を見てみると、とても生産的議論ができるような予感がする。もう少し考えがまとまったらそのあたりも近いうちに書いてみたい。

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