通信・放送懇談会

今年1月から半年の予定で開催されている「通信・放送に在り方に関する懇談会」(竹中総務相の私的懇談会)が、そろそろ最終局面になってきた。業界でも話題にのぼることの多いこの懇談会が、9日に通信・放送の改革案の大枠を固め、16日にも会合を開いた。

この懇談会は、業界でもよく話題にのぼり注目されている。ただ、短期間に広い分野に渡って議論しようとしており、どれほど具体的な影響力があるのか分からない。発足当初は、NHKの民間企業化の話もあったものの、小泉首相が国際的な発信機能の充実を示唆したのをうけて、トーンダウンするなど政治的に揺れた。この手の懇談会のやむを得ないところだろう。

この懇談会の座長は、「サンデープロジェクト」の常連である松原東洋大教授。他のメンバーは、日本のインターネット界の大御所、村井純氏、元マイクロソフト会長の古川氏、人気評論家の宮崎哲弥氏とタレント性の強い有名どころがそろっている。しかし、見方を変えると、業界の素人の集まりともいえよう。

では、「通信・放送の在り方に関する懇談会」(松原東洋大教授座長)が、9日の会合で固めた通信・放送改革プランの大枠をみてみよう。

《放送制度》
・マスメディア集中排除原則の大幅緩和
・IPマルチキャストを著作権法上の「放送」とする条件整備
・地上波のデジタル化に伴う空き周波数帯の有効活用
・地デジのIPマルチキャストによる再送信について発信エリアの拡大
《NHK》
・一部委員の常勤化による経営委員会改革
・衛星波・ラジオを念頭にチャンネル数削減
・国際放送やインターネット配信の強化
・子会社の整理統合による組織のスリム化
・受信料の大幅引き下げ。支払い義務化・罰則化は将来的な検討課題
《NTT》
・NTTグループ内の加入者回線網の機能分離
・公正競争促進に向けた事業規制の見直し

この大枠を見てみると、NHKは、受信料値下げなどの、世論受けする項目を背負わされているが、NTTは、結構、逃げ切っているように見える。参考意見で、孫正義ソフトバンク会長が、NTTが5000円で提供している光ファイバーの回線を690円で提供しても採算が合うと主張したりしたときは、さすがに通信業界では、あわてて対応していたようだ。しかし、孫氏のような業界内部の人間がでてくるとやっかいだが、評論家や大学の先生なら御しやすいとみていたのではないだろうか。NTTの抜本的な改革は、中長期的な課題として先送りされそうである。

5月16日の会合では、報告書にまとめて、政府が打ち出す経済財政運営の基本方針(骨太方針2006)に盛り込む段取りだったが、今月中にまとまるかどうか未定という状況だ。(17日付日経新聞)これからの数週間でどうなるか、興味深い。

ちなみに、総務省のホームページに公開されているこの懇談会の参考資料(ココ)は、よくまとまっていて非常に便利だ。これだけでも立派な読み物で、下手な業界解説本よりも内容がある。

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