日本人と交渉するコツ

中国で成人した後日本に渡り住み、帰化した知合いから、日本人と交渉するコツを聞いたことがある。ひとことで言えば、「誉める」のだ。振り返ればここ最近、このコツのとおりに、日本政府と最もうまく交渉して実利をとったのがアメリカ、最も下手だったのが中国だった。

この中国系日本人の知合いは、来日してすぐ、アパートの契約をするときにこのコツを会得したという。最初は、中国での普通の交渉と同じように、借りようとする部屋の欠点を指摘し、「これも悪い、あれも悪い、だから安くしろ。」と交渉した。ところが、最初の2、3件でいくら粘って交渉しても、全く家賃が下がらず、交渉がまとまらない。

彼は、とても頭のいい如才ない人で、そこではたと気付いた。日本人と交渉するには、批判するのは却ってマイナスで、誉めたほうがいいに違いない。それで、次の交渉から、この部屋のここがいい、あそこが好きだと誉めた。誉めた後、この部屋をとても気に入ったのだが、自分は、来日したばかりでお金が無いので少し安くしてくれないだろうか、と情けない顔をしてお願いするように話すと、ものの見事に安くなる。それ以来、日本人と交渉するときは、誉めることにしているという。

交渉について、世界標準をいえば、相手の弱点、欠点をできるだけたくさん、鋭く指摘して自分に有利な条件で決着するのを目指すものである。ところが、日本人と交渉するときは、「誉める」のがいいという。なかなかのご賢察。我が身に照らしても思い当たる。

アメリカは、アーミテージ氏が入れ智慧したか、最近は、このコツのとおりに日本を応接している。日本が自らお決めになることだと日本の自主的判断を尊重する言葉を述べつつ、結局、イラクへの自衛隊の派遣も得たし、沖縄海兵隊のグアム移転で7千億円、米軍再編で3兆円の負担を受けさせるのに成功しそうだ。誉めて、誉めて、誉めながら、ちゃっかり実利をとっている。

一方で中国は、夜店で値下げ交渉をするように、あれやこれやと日本の問題点を指摘して非難してきたが、日本の世論の態度が硬化するばかりで何も得られなかった。そればかりか、さすがのお人よしの日本も対中援助の見直しを始めてしまった。結局、ケチをつけ続けた日本政府から得たものはない。

まあ、この話自体は、日本人が誉められているようには思えない。せいぜい、苦笑をもって認めざるを得ない日本人の特徴といったところだ。そう思って、現状を省みれば、中国から文句を言われているときはまだ安心で、誉められだしたときこそ用心だろう。我ながら厄介な身ではある。

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