Web2.0 J (2)

前回に続いて、Web2.0という考え方を日本の状況に当てはめるとどうなるか、考えていきたい。ネット通販の利用者が、TWOTOPからガールスウォーカーに広がり、ユーザー同士が教えあうのが、2ちゃんねるからmixiになっている状況を順序だてて説明できればと思う。

では、個別に説明していこう
A) インターネットが発生当初からもっていて今も顕著な、時系列の間尺の長い傾向
 (Web1.0の頃からWeb2.0、さらに将来に至るまで重要視されていること)
① ユーザーにとってタダ(無料)が基本
インターネットは開始当初からヴォランティア的な思想に基づいていたこともあり、タダが基本である。オープンソフトウェアであるLinuxの評判がよく、タダでブラウサ・ソフトを配布したネットスケープが支持された。Googleがユーザーの熱い支持を得たのもYahoo のように広告バナーをべたべたはらないシンプルなトップページにあった。今後も、ユーザーからあさましく料金をとろうとすると、失敗することが多くなるだろう。

インターネットは、タダが基本だけれども、普通、タダでは商売にならない。だから、インターネットのビジネスは、難しい。アメリカでも、既存の有力企業がインターネットビジネスで成功するのが難しいのは、他に収益のあがるビジネスを持ちながら、料金タダが基本のビジネスに乗り出すのが難しいからだと思われる。そこを、ユーザーに不快感を与えずにタダのままなんとか商売するのが、今後のインターネット・ビジネスの鍵になるだろう。Googleは、検索連動型広告によりそれを実現した。

② 上り通信に強い。それ故にユーザー参加型が強い。
最近、インターネットの将来像を語るときに、CGM(消費者発信型メディア)が注目される。とはいえ、インターネットができる前のニフティのフォーラムもCGMと言えるだろうし、日本の2ちゃんねるもとっくの昔に社会的に認知されている。フォーラムや2ちゃんねるに比べて、今後のWebの特徴は、消費者からの上りのデジタル・データをより巧妙に取り込むことだろう。

以前にも書いたが、もともと、インターネットは、テレビなどの他のメディアに比べて圧倒的に消費者発の上り通信に強い。消費者発の通信として、従来メディアでは、ラジオ番組へのはがきによる投書、コールセンターへの電話などもあったが、消費者からのデジタルのデータの上り通信となると、インターネットの独壇場となる。

インターネット内でも、立ち上がりの時期では、双方向通信:電子メール、下り通信:Webという認識が漠然とあった。従って、ユーザー参加の、パソコン通信のフォーラム的機能として、電子メールを応用した「メーリングリスト」が活用された。一方で、Webは、テレビやラジオに並ぶ下り通信メディアと受け止められた。しかし、Webが進化することによって、Webで十分な上り通信ができ、活用されるようになった。後にも述べるが、ブログの特徴は、消費者からの発信がデジタルで且つ構造化されることにより、データとして処理しやすくなっていることである。Wikiなどの集合知を活用するなど、この上りのデジタル通信の強さを活用したサービスは、「インターネットらしい」ものとしてますます支持されるだろう。

③ 中央集権システムではなく、分散、自由、フラットなシステム
もともと、インターネットは、安全保障上の研究から発しており、戦争やテロなどでセンターの攻撃を受けても機能を維持できるネットワークとして構想された。どの一部が壊れてもネットワーク全体がダウンしない、中心不在のシステムが基本思想である。従って、分散し、自由で、フラットなものほど、人々は「インターネットらしい」ものだと思う。

ここから先は、Web1.0とWeb2.0の違いであり、A)に比べて時系列の間尺の短い傾向である。
B) ユーザーにとって
一般ユーザーが感じている変化は、次のようなものだろう。
① ホームページ → ブログ
ブログの普及は、ユーザーとしても日々感じることができる。ホームページと比べてのブログの特徴は、i)記事が時系列で整理されていること ii) トラックバック iii) RSS である。どれも、些細なことのように思える。しかし、これらの特徴によって、ユーザーは、特に意識せずに、自分の書いた記事を構造化したデータとして、インターネットの世界にアップロード(上り通信)していることになる。それ故に、RSSリーダーで更新情報をあちこちに伝え、トラックバックでリンクが広まっていくのである。ブログは、この上り情報の構造化というWeb2.0 の特徴を鮮やかに示している。

② ポータル:Yahoo → サーチ:Google
Internet Explorerを立ち上げた時に、最初にでる「ホーム」をYahooからGoogleに変えた人は多いのではないだろうか。今や、ポータルから階層化された分類をたどってみたいサイトを探す人は、ますます減少し、サーチによって欲しい情報を直接見つけ出すようになっている。「楽天」は、巨大なショッピングポータルだけれども、今後、サーチにとってかわられるかもしれない。「Yahoo→Google、では、楽天→?」というのが、三木谷氏のあせりの理由かもしれない。

③ ネットショッピングの普及:ツートップガールズウォーカー
ネットショッピングの普及は、自分や知り合いの使用頻度の増加をみるだけでも、日々実感できる。

ツートップは、恐らく日本で最初に採算を黒字化したネットショップである。ツートップは、パソコン自作派には有名なパソコン部品のショップで、「をたく」でもある従業員が、自作による低い投資でサイトを立ち上げ、パソコン「をたく」のお客が、ネットでの購入を最初に始めた。インターネット初期のネットショップは、IT「をたく」によるIT「をたく」の為のショップからスタートしたのである。

今、ネットショップの世界で、猛烈な勢いで伸びているのが「ガールズウォーカー」という、若い女性向けのアパレルを販売する携帯電話用サイトである。ツートップしか黒字化していなかった時代から、今のガールズウォーカーの興隆をみると、男性から女性、理科系から文科系、パソコンからモバイルへの、ネットショップの対象の広がりを強く実感できる。リンクを張っておいたので、ツートップガールズウォーカーのサイトを一度試しに見ていただきたい。ネット通販の変化を実感できると思う。

C)ビジネスにとって(ビジネスの視点でみたときの変化)
① 広告手法の進化・変化
 バナー広告→アフィリエイト(成果報酬型)リスティング(検索連動型)
ビジネスで、一番実感する変化が、広告・マーケティング手法の進化と変化だろう。インターネットビジネスの初期には、みんな、サイトのページビューを増してバナー広告の広告料を得ようとした。それしか方法がなかったからだ。ページビューの拡大をするためにテレビ広告までうっていた。(バナー)広告料収入で稼ぐといっていたヴェンチャービジネスが、過剰な広告料負担で倒産するなどという、笑っちゃうようなことが頻発したものである。ホリエモンに買収される前のライブドアも、その手の会社だった。

それが、アフィリエイト・プログラムによって、個人でホームページを管理する人で、月収百万円を超える人まででてきた。さらに、リスティング広告によって、ユーザーの嗜好にあった、ターゲットを絞った広告ができるようになり、広告主にも媒体主にもより幸福な取引ができるようになってきた。

② 量(数)→ 質(率) 2ちゃんねるmixi 楽天ZOZOTOWN
先にも挙げたが、Webの立ち上がりの頃は、どのサイトもやたらページヴューの多さを競ったが、アフィリエイトなどの手法がでて、実購買につながる率が重視されるようになってきている。重視するものが、数から率へ変化している。

2ちゃんねるもスレッドと書き込みの多さという「量」が自慢であった。そのなかで、mixiが、2ちゃんねるでは実現できない「質」の良いコミュニケーションを掲げて伸ばしてきた。また、楽天も、企業契約数、商品数(サイトのトップページに誇らしげに書いてあるのによると現在夫々約45千、約15百万)という「量」を誇ってきた。そのなかで、最近注目を受けているショッピングサイト、ZOZOTOWNは、サイトの目指すセンスに合致するものに出店数を絞り、各店舗でも良質の品揃えと、一品ごとへの詳しいコメント付けを行い、「質」にこだわることで、原宿・渋谷系の若者から熱い支持を受けている。

③ ロングテールの取り込み 
ロングテールとは、ネット販売において、ほとんど売れないニッチ商品の販売額の合計が、ベストセラー商品の販売額合計を上回るようになる現象のことである。(ココ

皇室御用達をうたう濱野バッグは、限定数の商品を限定された時間にだけ受注しており、販売数量は、多くはならないものの、その希少性により高い人気を得ている。思えば、ネットからでたヒーローの「電車男」や「生協の白石さん」ももとは、ニッチな世界での話題の人がネットによって日本中に知れ渡った人である。
次回に続く)

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