台湾の対中投資の減少

台湾の対中投資が、大幅に減少している。6月21日の日経新聞で次のように報道された。

台湾の対中投資が3割減、ベトナムなどに分散
外資の中国進出の先陣を切ってきた台湾資本が対中投資を減らしている。台湾当局が1―5月に認可した対中投資額は前年同期比で3割近く減少した。中台関係の緊張や人民元切り上げなどのリスクを嫌い、ベトナムや台湾域内に投資先を振り替えている。台湾の対中投資は2000年から5年連続で増加してきたが、転換点を迎えたようだ。
 台湾の経済部(経済省)が20日まとめた1―5月の対中投資認可額は約19億6400万ドル(2130億円)と同28.7%減少。地域別では江蘇、広東、浙江、福建の上位四省向けがそろって25%を超える減少となった。
 業種別では投資全体の43%を占める「電子電器製造業」が同39.8%減少したのが目立つ。経済部は「台湾企業の対中投資は2004年11月ごろにピークを超えた」(投資業務処の欧嘉瑞処長)としている。


まず、もともと、台湾の対中投資が過小評価されがちなことに気をつけるべきだろう。上記の統計数字にしても台湾当局の投資認可額であり、実際には、その何倍もの規模でケイマン諸島などを経由して台湾から中国に投資されている。それを含めて、メディアでは、中国政府に遠慮してか、台湾の投資の規模の巨大さと中国での経済発展への大きな貢献度をちゃんと報道していない。貢献度を知らないと、その急減によるダメージの震度が分からず、結局、気づくのが遅れ市場に対してネガティヴなサプライズになるのではないかと心配している。

僕は、丁度一年前に(台湾つれづれ 04年6月23日「台湾企業の中国投資」)、03年下半期から台湾企業による中国投資の増加速度が減退していることを、書いていた。今回は、増加率の減少ではなく、投資額の減少で、ますます台湾の対中投資への消極姿勢が強くなっている。

台湾企業の対中投資が減少した理由は、電力不足、人件費の高騰、中台関係の政治的緊張、生産拠点の移転のし尽くし(特に電子産業)などだ。中台関係の緊張については、具体的には、奇美グループへの中国当局の嫌がらせなどが影響したのではないだろうか。

もう一つ最近思うのは、ミャンマー、ベトナムへの投資に振り替える例が多いことだ。中国当局は、沿海部の開発から徐々に内陸部の開発に、海外からの投資も振り向けようとしている。しかし、沿海部に出尽くした海外投資は、中国の内陸に向かわずに、中国以外に向かっている。もしそうなら、中国の沿海部と内陸部の格差が広がってしまう。だから即ち、中国の崩壊だというのは、短絡に過ぎるが、用心して様子を見たほうがいいだろう。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック