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zoom RSS 「説明責任」という変な言葉

<<   作成日時 : 2017/07/26 22:55   >>

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僕は、かねがね、「プロは、説明責任よりも結果責任」と思っていました。ですから、政治、ビジネス、マスメディアの世界で、最近あまりに頻繁に「説明責任」という言葉がでてくるのに、閉口していました。ググッてみると何人かの人が同じような違和感を表明しています。どうやら、”Accountability” を「説明責任」と翻訳してから、間違った意味で使われ出したようですね。これはもう誤訳レベルです。

プロ野球の世界は、説明責任よりも結果責任です。ケガで試合に出られないと説明すれば誰しも納得してくれますが、それが3年続けば、本人に罪はなくとも野球選手を辞めざるを得ません。一方で、振り子打法の選手が、なぜ足を振り子のように振るのかちゃんと説明できなくても、ヒットをたくさん打てば、プロとして収入とステイタスがあがります。

野球に限らず、ビジネスの世界でも、プロである以上、結果責任です。どんなにプレゼンが上手いビジネスパーソンでも、利益を出せなければ、そのうちだれも相手をしてくれません。話下手でも、利益を出せるビジネスパーソンには、資金提供者も一緒に働く人もついていきます。

最近多い「説明責任」ということばがでてくる場面をみていると、ちゃんと説明をすればいい、謝罪すればいいという意味になっているような気がします。「反省だけならサルでもできる」ですよね。

あるいはこれとは対極的姿勢として、説明とか責任とかとは程遠い、単なる、集団による裁判抜きリンチ刑のようなものも増えています。「説明責任を果たせ」との掛け声で、著名人やリーダーを、記者会見や議会に呼び出し、説明を聞くのではなく、ただただひたすらいびり倒す。ちゃんと説明したら批判しなくなるという可能性はゼロパーセントなのに、「説明責任」という言葉で徒刑場に呼び出しているのです。

あげくは、記者会見にでている記者が「謝れ!」叫ぶ、そのお辞儀の仕方が悪いと批判する。迷惑をかけた人に謝るのは当然だけど、なんで記者に謝んなきゃいけないのかなと不思議に思います。あの記者会見の姿は、日本と韓国くらいしか、あまり見かけないのではないでしょうか。

国会に「説明責任を果たせ」と呼び出して説明をさせる場合など、呼び出した側の政党は、どんなすばらしい説明であろうとも、議事堂からでてくれば、100%の確率で、「あれでは、説明責任を果たしていない。」というのです。どの政党でも、攻める側(多くの場合、野党)になると同じ行動パターンです。

「説明すればいい」、「謝ればいい」という態度も、その対極にみえる、どんなに説明しても絶対納得しないのに説明責任を果たせと呼び出す態度も、共通しているのは、「説明」とか「責任」という言葉をあまりに軽々しくあつかっていることです。

先日、SNSで友人のやり取りをみていると、アカウンタビリティにふさわしい訳は、「説明責任」ではなくて、「答責性」とか「立証責任」ではないかと議論していました。法学者は、法廷においてアカンタビリティは「立証責任」であって、もっと厳しいものだと指摘します。つまり、「説明さえすればセーフ」ではなくて、「説明できなければアウト」の世界です。とはいえ、ちゃんと説明したらセーフになる可能性もある。だからこそ、真剣で厳しい。

ネットでも、「説明責任」という言葉に違和感を表明する記事があります。ココそこでは、政治学のジュラルド=カーティス教授の説明が紹介されていて面白い。つまり、日本語の「責任」にあたる言葉は、英語では二つあって、”responsibility"は、内面的道義的なもの。"accountability"は、国民に、はっきり説明できるように行動することで、社会に対して外向きに作用するものと、しています。

別のこの記事では、アカウンタビリティは、「説明をする責任」ではないとしています。むしろ、結果に対して、そのうちの自らの責任がどこにどうあるのか説明する「責任の説明」だとしています。

こうなると、アカウンタビリティは、「説明責任」というよりも「結果責任」にむしろ近い語感です。それでは、意味がまったくひっくりかえってますね。勉強になりました。

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