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help リーダーに追加 RSS 商社の儲けすぎ批判

<<   作成日時 : 2008/06/15 21:20   >>

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商社の儲けすぎ批判が、エスカレートしてくるような気がしてならない。各商社は、資源高で軒並み好業績。しかし、儲かった人は叩くという今の日本の世論においては、いかにも標的になりそうで危なっかしい。消費者ビジネスに弱くて一般の人になじみがないせいもあって、もともと世論に対するアピールも下手くそだ。

6商社の2008年3月期の決算をみると、軒並み、10%以上の二桁増益、千億円を超える最終利益である。利益の桁が長年の感覚と違うので、商社に勤める者でさえ、新聞公表数値の桁を読み間違えそうなくらいだ。この利益の大半は、資源高の効果である。

となると、儲かった人は叩くという今の日本の世論においては、いかにも標的になりそうだ。ガソリンの値段が上がって家計も、企業経営も苦しいのに、一人儲けやがってと。そんななかで、何か一つ、商社の人間がささいなことでも不祥事を起こすと、マスメディアの一斉放火が始まりかねない。もぐさは、乾き、貯まっている。粗忽もののらくちんなんざあ、真っ先にそそうをしそうで恐ろしい。

もともと商社は、消費財に弱く、一般の人になじみが少ない。何をやっているか分からないところだ。トヨタならプリウス、阪神電鉄ならタイガースと、世間の素朴な共感と同情を得られる事業をやっている企業は、事件があっても社会的な支持を回復しやすい。商社には、それがない。また、消費財のビジネスが弱いということは、広告費の支出が少ない。言い換えると、メディアの風当たりを弱めるみかじめ料も払ってきていない。要は、日頃の功徳と精進の蓄えが足らないのだ。

消費者向けのビジネスに弱いがために、組織としても、一般の人の感覚を理解する能力に欠け、説明能力が弱い。例えば、今回の決算発表で、「儲けすぎ批判」が出てくる可能性を、ちゃんと予想していなかった人もいるのではないだろうか。つまり、社会との対話する能力に欠けているのだ。

「昔、リスクをとって資源権益を確保していたから。今の利益は、正当な対価。」という説明を各社がしているようだ。しかし、この答えでは、今の日本の社会では、一般の人が腹落ちしないだろう。「昔、長時間働いたから」とか、「昔、貧乏したから」とか、「昔、他人にいいことをしたから」、ならともかく。むしろ、「昔とったリスク」なんて説明で、こと足りると考えているセンスこそが、世論の雰囲気への感受性の乏しさと、社会との対話能力に欠ける証左と見られかねない。

かんべいさん(5月30日分)がされている「ここで日本の商社が儲かっていないとすると、その利益がそっくりそのまま資源メジャーに行っていただけだ。決して、ガソリンの値段が安くなるものでもない。」という説明は、まだ、消費者に受け入れやすいだろう。

「資源高で稼いだお金はすべて、将来の資源確保の為に注ぎ込んでます。」という説明が、僕は、まだ一番、世間的には分かりやすいのではないかと思うがどうだろう。商社の決算のキャッシュフローをみると、資源高によって、「営業キャッシュフロー」は、巨額のプラスだが、資源確保のために巨額の投資も同時に行っているので「投資キャッシュフロー」は、大きなマイナスだ。願いましては、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計であるフリーキャシューフローがほとんどマイナスなのだ。

フリーキャッシュフローというのは、投資家によっては、決算上の利益よりも重視する指標のために、どこの決算報告の要約でも、大きな項目として明確に示している。公表数字からそれをひろってみると、次のようになっている。

単位:億円
...................営業CF........投資CF.......フリーCF
三菱商事....3,195.........-3,567..........-372
三井物産....4,158........ -1,048....... 3,110
住友商事....3,207.........-2,998............209
伊藤忠...........656.............-658..............-2
丸紅.............2,353.........-3,069.........-716
双日...............354..............-687........-333

公表データによると、三井物産は、サハリンIIの株の売却による、一過性のキャッシュフローがあるので、プラスになっているけれども、他の5大商社は、フリーキャッシュフローが、ほぼゼロか、マイナスである。この数字をみると、「商社は、資源高で巨額の決算上の利益を計上したけれども、そこで稼いだ分全部に、借金までして加えて、資源の権益確保に再投資している。」と言える。ただし、資源での利益の依存度が小さい住友商事は、例外になる。こうしてみると、投資のやりすぎじゃない?とすら思ってしまうほどだ。

ところで、フリーキャッシュフローがマイナスだなんてみっともないことは、プロの投資家の前で、威張ってするような話ではない。しかし、日本の社会の前では、その同じ話をしたほうが、いいように思える。そういう状況こそが、日本の社会の問題かもね。

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コメント(2件)

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らくちんさん、どうもありがとうございます。80年代に会計の勉強をさせられた者の常として、キャッシュフロー計算書なんて見たことないのですよ。勝間和代さんは、まずCFを見るそうですが。儲かってるように見えても、商社はキャッシュリッチではない、というのが面白いですね。
かんべえ
2008/06/17 17:06
かんべいさん、コメントありがとうございます。僕が入社してすぐ配属された経理の部署で経理財務マンとして教えられたのは、売上げが急上昇すると売掛債権の資金負担で、黒字倒産しかねないというカラクリでした。いまや、連結決算故に、黒字なのにキャッシュフローがマイナスということが起こります。時代は、変わるものですね。
らくちん
2008/06/18 00:15

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