|
フィリピンに行って、町の人々のしっかりした顔立ちや仕草をみると、どうしてこの国が、「ASEANの落ちこぼれ」とまで言われるほど、経済のパフォーマンスが良くないのか、不思議に思ってしまう。 宗教は、ローマカトリックが80%。民族は、マレー系が95%。これだけ同一性が強いと、民族・宗教問題は、他の国に比べて扱いやすいはずだ。英語は、共通語となっており、アジアで一番通じる。民主主義の伝統があり、自由である。安全保障だって、海に囲まれていて、中国、ロシア、ベトナムなどと国境を接している国よりも、負担がよほど軽い。人口も増え続けている。なぜ、国全体として、いい結果がでないのだろう。 ショッピングモールを半日歩き回ってみたが、みんなしっかりした、かしこそうな顔をしている。発展途上国でときどきあるうちひしがれたような表情は、少ない。もちろん、マニラのショッピングモールに来ている市民は、中流以上なのだろうが、それでも、渋谷や銀座にひけをとらない多くの人がそうなのだ。街中は、1990年代の北京、上海よりは、他の国と差がない感じがした。スラムのようなところでは、裸の子供が走り回っているが、これは、タイでも中国でも同じだ。 英語は、明らかにシンガポールより上手いし通じる。インド、シンガポール、オーストラリアよりなまりの少ない、きれいなアメリカ英語だ。ハリウッドの映画は、字幕も無しにそのまま英語で上映され、庶民の大人気。だから、いつもアメリカと同時封切り。この状況を見ていると、日本で英語を公用語にして徹底して教育してみたところで、ダメなときはダメなのだと思ってしまう。 フィリピン人の看護婦さんは、優秀で世界中の人気の的である。イギリスなんて、フィリピンで資格をとっていれば簡単に居住ビザがとれる。アメリカとの争奪戦なのだ。日本の看護士協会が、FTAの締結による大量流入を阻止しようとしているけれども、フィリピン人の方から、新たに日本語を覚えてまでして日本になんて行く気にならないだろう。英語の通じるイギリスに行けば、三顧の礼で迎えてくれるのだ。そして、この国の経済を支えているのは、こうした国外への出稼ぎ労働者からフィリピンへの送金である。 それだけ、優秀な労働力だともいえる。出生率も高く、平均年齢も低い。つまり、優秀で若くて豊富な労働力がある。それなのに、発展の軌道にのらない。 しかし、次のようなマイナス面もあるようだ。 ・ 国としてまとまりかける前に、スペインの植民地が始まったので、歴史・文化がない。インドネシア、タイなどのほうがよほど、そういう歴史・文化がある。 ・資源がまったくない。 ・島が多く陸上輸送で国全体を覆えない。 ・製造業が育たない。これは、陸上輸送が不便なのが影響しているのではないか。 ・長くアメリカの強い政治的影響下にあり、ぐちゃぐちゃにされちゃった。アメリカの時々の政権の気まぐれで独善的な政策に右往左往してきて、腰をすえた国づくりがされていない。 ・他のアジアの国では、民族主義的な政治家がいて、アメリカの政治圧力に従ったり反対したりしながら、長期的な国の発展をしたたかにとっていった。フィリピンには、そういうリーダーがあまりいなかった。 ・他のアジアと同様、独裁政治家が、私腹をこやしながらも経済発展に貢献した。マルコスが他のアジアの独裁者と違うのは、得た富のほとんどを国外に持ち出してしまったことだ。 しかし、これだけ優れた国民がいるなら、今からでも、やりようによって成長の軌道にのるような気がしてならないけれどなあ。と、またまた思ってしまいます。 |
| << 前記事(2008/06/03) | トップへ | 後記事(2008/06/08)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2008/06/03) | トップへ | 後記事(2008/06/08)>> |