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度重なる企業の不祥事や、タレントさん、大臣、官僚トップの失言をみていて思う。中世化する現代において、社会との対話力のない企業や組織は、永続できない。社会との対話力がないトップを擁する企業は、ヒト、カネといった基礎的経営資源の調達すらままならなくなってしまう。つまり、社会との対話力のない人は、組織のトップが務まらない。 どんな企業も、どんな役所も、今後5年や10年に一度は、不祥事が起こり世論の批判の矢面にたたされると考えていいだろう。実際、この10年の間に、どの中央省庁も強烈な世論のバッシングを受けているし、ほとんどの優良企業も謝罪会見をしなければならない事態に至っている。あってはならないこととして予防策を講じるのも必要だけれど、今後も、何年かに一度、起こるものだと考え、それでも持続できる耐性を企業が備えることも大切だと思う。 中世化する現代の日本の社会では、成長率が低く、コミュニケーションの手段が発達し、消費者へパワーシフトするなかで、世論の監視の目がますます厳しくなる。(「中世化するビジネス」)「村八分」、「魔女狩り」的な特定の組織や個人への批判の集中が起こりがちだ。また、そうした批判に対する耐性が弱いと看做されると、サステナビリティ(持続可能性)が低いとされ、ヒト、カネといった基礎的経営資源が調達できなくなり、たちまち組織の存続すら不可能になってしまう。では、どうすればいいのだろうか。 ○ 保守的でもダメ だからといって、保守的、消極的になっていても問題を回避できない。保守的に、これまで何年もやってきた同じ方法を変えずに繰り返していても、ある日突然、世論の集中批判を浴びることもある。常に移りゆく社会の常識と向き合い、これまで行っていることが、今の社会の常識に反しないかどうか確認し、自らを革新続けなければならない。 ○ 消極的でもダメ また、そうしたレピュテーションリスク(社会的評判を落とすリスク)を避けるために、消極的に、消費者とじかに接する事業や機会を回避・撤退しても、問題を避けられない。ここのところの謝罪会見をみても分かるように、消費者と接点のないビジネスをしていても、世論の批判のターゲットになりうるのである。むしろ積極的に消費者に接する機会を設けていかないと、企業の耐性が弱まってしまう。 どんなに優秀なビジネスマンであっても、社会との対話力がなければ、トップとして企業を持続させることができない。村上ファンドが典型例だろう。村上氏は、まちがいなく非常に優秀なビジネスマンだが、社会との対話力が無かったことが命取りになった。判決文で言い渡された、「「ファンドなのだから、安ければ買うし、高ければ売る」という徹底した利益至上主義には、りつぜんとする。」との批判は、どの優良企業にもぶつけることができる。社会との対話力がないと、利益の出ている会社は、いつでもこの論で、世間から集中的に批判されうるのだ。 ○ 持続的な対話 それでは、どういう社会との対話が必要なのだろうか。まず、大切なのは、持続的な対話だ。タレントや高官の失言にしても、日頃から、まじめに生きている40代の女性やファンドマネージャーなど様々な人びとと対話をしていれば、あのような失言は、でなかっただろう。口をすべらせた一瞬の不注意を悔やむよりは、日頃から社会との対話を心がけていなかったことを反省するべきなのである。 不祥事が起こったとき、とっさの場面で、トップがちゃんとした対応をするには、日頃から社会と対話していないとできない。迅速で誠実な対応は、ダメージの規模を何分の一に変えることができる重要なことである。 そして、結局のところ、不祥事が起こったときに、とっさの対応よりも更に死活的に重要なのは、それ以前の企業自体の「日頃の行い」だろう。村上ファンドやホリエモンが批判により殲滅されたのと対照的に、「白い恋人」や「赤福」は、再起を暖かく迎えられている。消費者に対するいい商品イメージもある。また、「白い恋人」などは、地元経済に貢献しようという意欲も感じられる。結局は、こうした企業としての持続的な社会との対話の成否がこれらの企業の生死を分けている。 ○ 非言語的対話 持続的な対話に加えて、もう一つ、社会との対話で注意しなければならないのは、非言語的な対話の重要性だろう。社会との対話といえば、記者会見、IR、CSRのことが頭に浮かぶかもしれない。しかし、いまや社会は、そうした表面的な言語的メッセ−ジの裏にある、その組織の本質的な行動原理を見通してきている。 ○ 事業による対話 このように、持続的で非言語的対話が重要ななかでは、どの組織も本業そのもので、社会に対してメッセージを伝えることに主眼をおきたい。企業は、社会に提供する商品とサービスによって、国会は、議決した法律によって、省庁は、立案した政策によって。トヨタは、環境によくない自動車という商品を社業しているにもかかわらず、プリウスという環境にいい商品を提供することによって、社会に対していいイメージを定着させるのに成功している。 先に述べた、レピュテーションリスクを恐れるあまり、消費者ビジネスから距離をおこうとするのは、こうした点からも得策ではないと分かる。消費者ビジネスから距離をおけばおくほど、社会に対して、提供する商品などによってメッセージを伝える機会がとりにくい。また、内部的にも、組織としても経営陣にしても、社会との対話力が衰えていく。そうすると、何かしらの不測の事故に脆弱で、長い目でみてその組織の持続可能性がなくなってしまう。そうなると、更に、持続可能性が低いとみなされただけで、事故がなくともヒトやカネといった基礎的な経営資源を社会から調達できなくなる。 こうしてみると、B2C企業のレピュテーションリスクよりも、B2B企業の方が、社会との接点を作りにくい故の難しい面が目立ってくる。村田製作所が「セイサク君」、旭化成が「イヒ」と、B2Bの超優良企業が、いささかサムクて痛々しい企業CMを敢えて消費者に向かって行っている。それは、社会との対話力をつけて、優秀な人材と社会からのサポートを得ないと、今以上の成長を確保できないと実感しているからだろう。 社会との対話力。これこそが、現代のビジネスにおいて、組織にも経営陣にも求められる必須の能力のような気がする。 |
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うなずいて一気に読んでしまいました。 |
まくまく 2008/02/20 18:29 |
オバマ候補が躍進した起爆力は、18−24才の若者3500万人であると。したがい、日本の政党や企業も、今後は「Informed voters/consumers」を前提にブランディングなど決めるべきと。 |
snowbees 2008/02/23 07:17 |
まくまくさん、snowbeesさん、コメントありがとうございます。まくまくさんのおっしゃるとおり、環境の変化、社会の常識の変化が激しくて、それに対応しなければならないというのがありますね。また、snowbeesさんのおっしゃるとおり、消費者や市民の側からの情報の発信ができるようになってきたからでもあるでしょうね。 |
らくちん 2008/02/24 20:20 |
なかなか示唆するところ大ですね。しかし最近海難事故が多いように思われ安全確保にいろいろな人が今まで以上に尽力してほしいと思います。よりよい社会と希望のもてる明日を。 |
星の王子様 2008/03/06 04:56 |
星の王子様、コメントありがとうございます。海難事故、本当に大変ですね。衝突したときに、海に放り出された人をなんとか助け出す装置とか方法を開発して、大型船は装備して欲しいと、僕は、思っています。 |
らくちん 2008/03/09 20:35 |
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